メタルヘッドPC登録書２ [All Thread / Page: 1]

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●セッション関連情報
マスターシーン：いずれも不要な脱走者と追跡者の選定
　
現在のアイザック・R・ランドルフ総司令が偽物であるという確証とつかみ、リンガ・ストークとある程度の協力関係を築くことに成功したスーツ姿の男、マイケル・スミスは電脳空間内のイメージアバターであるにも関わらず、眼鏡をはずして目頭を解す。
一時的にリンガ・ストークがログアウトした、隠蔽クラスタ内であるからこその気が緩んだ態度だ。
【スーツ姿の男→マイケル・スミス】”そのうち過労死するかもしれませんね。　・・・サイバースペース内での過労死もホワイトアウトと言えるのでしょうか？”
などと呟いているうちに、ログインしてきたリンガ・ストークをクラスタに誘導する。
【リンガ】”ヴェーダに不要な下級ハンター(クズ)どもを二人ほどピックアップしておけ。　間違っても紐つき(アンダーカバー)や誰かのようなマルチスパイみたいなヤツじゃないぞ”
『マルチスパイみたいなヤツ』のくだりでマイケルを見る目が厳しくなったのは気のせいではないだろう。
【リンガ】”そいつらに1つずつ土産を持たせて追い出せ”
【リンガ】”キャニオン・タウンの『ドーマ・カストロール』が高く買ってくれると言っておけば土産の一つくらい渡るかもしれん”
【マイケル・スミス】”情報を渡すついでに、不良在庫整理ですか。　わかりました、その不良在庫の今までのいたずらもリークして置けば良いのですね？”
リンガ・ストークは頷き、言葉を続ける。
【リンガ】”脱走者に対してチェイサーを送ることになるだろうが、そのチェイサーも優秀すぎず、ヴェーダにとって害悪となるゴミを優先的に選定しろ”
【マイケル・スミス】”なるほど・・・　不良在庫整理のついでに返品必至のアウトレットも一掃処分とは怖い方だ”
【リンガ】”貴様の行動がヴェーダにとって、利益の方が大きいうちは見逃しておく。　それを忘れるなよ”
軽く肩をすくめた時には、すでに脱走者と追跡者に適当な人材を抜き出し終えている。
何かに利用しようと事前に調査している男にに怖いといわれるのはリンガ・ストークも心外であろう。
【マイケル・スミス】”それで土産の中身は何なのですか？”

　
　
マスターシーン：マッチポンプ
　
リンガ・ストークが用意した土産とは、「IDカード」と「ジャガンナートのマップデータ」であった。
IDカードはヴェーダ西艦隊の旗艦ジャガンナートに所属するBランクハンターのものであるが、そのハンターは事故により一か月ほど任務を離れている。
佐官相当のIDであれば、機関部やサーバールーム、(本人以外の)乗員の個室といったセキュリティ上位のエリアを除き、ジャガンナート内での行動が可能だろう。
そして、そのジャガンナートのマップデータは、アイザック・R・ランドルフが執務室兼個室として使用している部屋までのルートが記されている。
ただし、データといってもプラスチックペーパーに転写されたもので、アイザック・R・ランドルフの執務室兼個室までのルートとリンガ・ストークの部屋へのルート以外はマスクされいるとのこと。
【マイケル・スミス】”データであれば私から直接、ホロウさんに転送することもできたのですが、そう上手くはいきませんか”
これらは、これから脱走者となる者(チンピラハンター)たちへ強制的に入手させられる。
シティやユニオン側のハンターへヴェーダのちょっとした情報を漏らして小遣い稼ぎをしているネットライナー。
不自然にならないほどの補給物資の水増し請求や横流しで自身の装備に金をかける(ハガーみたいな)ランドブラスター。
それが脱走者に選ばれた者たちだ。
これらの不正の証拠をリークして、脱走者にならざるを得ない状況を演出する。
次に彼らを処分するチェイサーたちだが、素行不良のハンターがアサインされるよう手配をすすめてゆく。
脱走(予定)者が小悪党程度なのは、優秀すぎるチェイサーが選ばれると逃げ切れず、「IDカード」や「マップデータ」を持ち出すことができないためだ。
【マイケル・スミス】”あとはこの脱走者たちがヴェーダの重要情報を握っているらしいとユニオン側へリーク・・・”
【マイケル・スミス】”ユニオン側が素行不良のハンターたちを潰して、脱走者になった二人はどっちにしても行き場をなくすというのが彼(リンガ・ストーク)のシナリオなのでしょうね”
「IDカード」と「ジャガンナートのマップデータ」、入手できれば潜入を行う際の助けになるだろう。
だが、あったとしても「助けになる」というたぐいのものであって、ヴェーダ中枢ともいえる西艦隊の旗艦ジャガンナートへの侵入が容易かろうはずもなく、しかも、2つとも確実に渡せるという保証もない。
それらも含めて、リンガ・ストークあるいはアイザック・R・ランドルフを騙る者の元へたどり着いてみせなければ、ドーマ・カストロール・・・ダーマ・カスールおよびプリメーラ・カンパニーと手を組む価値はないと断じているのだ。
【マイケル・スミス】”ハードルが高すぎませんかね？”
さらにいくつかの手配をした後、マイケル・スミスは最後の仕上げにかかる。
【マイケル・スミス】”念には念を入れておくとしましょうか・・・”
仮想モニタに表示されているのは、とあるハンター専用サイト。
管理者権限で『依頼待ち』のステータスになっている登録者を探してゆく。
【マイケル・スミス】”うまくユニオンが反応してくれなければ運営者(わたし)の責任問題になってしまいますが・・・　いや、なんとしても動いてもらわなければ”
数人の瓦当者を洗い出し、専用の偽装メールサーバーから彼らの登録アドレスへと送信する。
『チェイサー業務斡旋のお知らせ』