エド日記<世界の不思議と兄弟を探索する超ダイアリー>
ミステリーサークルの謎
先日の冒険から9日後。そろそろ先立つ物も心許無くなった。駆け出しの冒険者には付き物の悩みだから仕方ない。
そろそろ雨漏りの修繕ばかりしているのも飽きた。そう考えた僕は仕事を探しに行くことにした。
屋敷を出ようとするとホールダー爺さんが猫を俺に差し出した。こいつの餌代も稼げと言う事かと思ったが、
聞くとコレは使い魔というヤツで、生き物とは違い、餌は要らないらしい。
ホールダーの爺さん曰く、
「こいつが現場にいれば、世の中の不思議を体感できるからの」
なるほど、こいつが爺さんの<分身>と言うやつか。一応確認したが性別はオスらしい。
とりあえず色々爺さんが説明してくれたが良く分からん。通常武器無効、毒無効、病気無効、せいしんこうかぞくせ
い・・・?うん、まあなんかバリアー出したりビーム出すとかそういう事なんだろう。小難しい事は他のヤツに任せ
た。
とりあえず歩かせるのも踏んづけそうだから頭に載せたらジャストフィットだった。爺さんも視点の高さに満足した
ようなので、OKOK。
冒険者の店に行く途中、何故か子供に人気だった。どうでもイイが額の目はオモチャじゃないぞ。邪・眼 だ。
「闇の中の灯亭」に行けば、連中がやっぱり仕事を探しに来てた。どこも同じかよ。
そこで、僕たちに声を掛けてきたトリスというルーンフォークの依頼を受ける事になった。聞けば一月ほど前から村
の小麦畑に奇妙な輪が出来るらしい。アレだミステリーサークル的な。トムも見たいと目で訴えてるし、交渉成立。
早速コバックという村へ向かった。
ちなみにクーベルは出立前に伝書鳩が来て手紙を読んだとたん、故郷に大慌てで帰っていった。お家騒動とか何とか
らしいが、王子も大変だな。また何処かで劇的再会!とかある事を楽しみにしておくか。
コバック村は、ルーンフォークの村だった。トリスの御主人様は村長のコバックだった。なんでも代々コバッ
クの直系のルーンフォークが村長兼主人を務めているらしい。
麦畑に夜中のうちに麦が折られて奇妙な輪が描かれるということで、僕らは夜中に手分けして麦畑を見張ることにし
た。ま、俺の芸術的才能から言わせて貰うと、捻りが足りないな。まあ食い物は粗末にしちゃいけねぇから俺はやら
ないけどな。深夜、読みどおり犯人が現れた。
ミステリーサークルを作っていた犯人はピクシーだった。道理でルーンフォークには姿が見えないはずだ。サリシア
が通訳して事情聴取をしたところ、動物たちやピクシーたちを食う何かが森に住み着いたため、森の外に出てこざる
を得なかったらしかった。こりゃあ本格的にヒーローの出番だな!!
って事で森に入れば巨大な蔓を伸ばすオーバーイーターがそこに居た。思ったより動きが早く、・・・ま、少々苦戦
はしたが大丈夫だ、問題ない。激闘の証拠の蔓をコバック達に見せ、華麗に任務完了だ。俺たちの活躍で森に平和が
戻り、ピクシーたちも森に帰っていったが一匹だけ好奇心が強い奴がいて、そいつがパーティーにくっついてくる事
になった。名前も付けてPTの一員だ。アネリスとフェイズは妖精語をサリシアとその妖精、「あかり」から習った
らしい。
アネリスはともかく、フェイズもああいうのが好きなのか、なるほど。気が付けば俺以外全員妖精語覚えてるな(笑)
ま、俺はこの熱いハートがあるから相手が妖精だろうがもけけぴろぴろだろうが言葉は必要ない。
しかし魔法が使えるのには越したことが無いしな。そんな訳で俺もなんか派手系のを覚えようと思ったんだが、ホール
ダーのじーさんにアルケミストを勧められたのでそうすることにした。
マテリアルカードか・・・。結構いい感じじゃねーか。カードは自分でも作れるらしい。俺様の芸術的センスが輝くな、
これは。あのじーさんも中々いい趣味してんじゃん。コレを使えば俺の邪眼と華麗なコンボを組めるだろう。
てな感じで、俺たちは新しい仲間を加え、達成感を胸に帰路についた。