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議論スレ

85 ミドリガニ [ 2012/06/02(Sat) 20:34 ]
>>84 ジグタビさん

丁寧なお返事を頂いてありがとうございます。
まず1についてですが、メールではきちんと指摘していたという事は了解いたしました。
PL全員に『雛形通りに書け』という指示は実際の所難しいと思うのですが、こうしてお話を伺ってみると、実際の所は『キャラクターシートに情報が不足しているのでメールで指摘したが上手く行かなかった』様子ですね。
私もPLに同様の件をチャットでお話して大分ごねられた事はありましたが、『これだけはGMとしてはどうしても必要だから書いてくれ』と言ったら渋々書いてくれました。
余りしっかりした回答でなくて申し訳ないのですが、『戦闘で急に参照する時など、GMが非常に困るからこれだけは書いてくれ』と、メールだけに頼らず、チャットや掲示板も活用してお願いするというのでは如何でしょうか?

さて、2についてですが、「謎解き系シナリオ」でも「嘘をつくNPCは居ないか最低限に絞る」というのは上述にてお伝えしましたのでここでは置いておきまして、重要な点を幾つかに分けでお答えしようと思います。

1−1:ログの読み返しについて
確かにオフラインではログの読み返しが一見楽な様に見えますが、実際のプレイ中は『現在』の事に対応する事で手一杯で、前の事を参照するのはPLにとって難しかったりします。
謎解き系でなくとも、背景設定が重厚な場合などは情報量が多く、PLにとってもキャラシーにメモを取るなどの措置が必要な場合があります。
私はこの森に来て久しいですが、メモを取る様にしたのは実は比較的最近の事だったりしますし、またLimeChat2の仕様の関係で24時を堺にログが分裂する為、実際のセッション中に24時前の事を確認するのは手間がかかるので、それよりは現在の進行に重きを置く傾向があります。
勿論、要所要所をメモして公開して下さる素晴らしいPLの方もおりますが、プレイ中はPLの記憶力に頼らざるを得ないのはオン・オフ問わないと思われます。

2−2:PL(PC)が推理小説における初歩的な行動すらしなかった点
このは雑談に居て感じる事ですが、人によっては神学、神秘学、言語学に至るまで幅広い知識のお持ちの方も勿論いらっしゃいます。
しかし、TRPGプレイヤーとしてはTRPGの参考知識にしやすいリプレイ(プレイングやルールの参考)やアニメ(キャラ作りの参考)、行ってもライトノベル(キャラ作りの参考)読者が多く、純文学や推理小説、ドラマや映画のネタについては振っても反応がない(出来ない)場合が多い様に思われます。
つまり「推理小説では定番」である手法は「TRPGでも定番」であるわけではないのです。
解決策として、GMが「PLは元ネタについて知らないな?」と感じた場合は、具体的に例示するというやり方があります。
これなら、その分野の知識を持っていないPLにも、PCにそれなりの対応を取らせる事が可能ですし、PLの知識も深まって嬉しいところでしょう。

2−3:NPCが情報を隠すシーンのPLへの伝え方
これは中々難しい問題ですが、基本的にマスターシーンというものはPLにしか情報を伝えられない、という事です。
PLは今後の展開を先読みする事が可能になりますが、マスターシーンでPLが知っている情報≠PCの情報ですから、PCに今後を予測した行動を取らせるには、PCにその情報を伝えるシーンが別途必要になるのです。
これはメタ(入れ子)構造をしているTRPGの特徴ですが、GMはPL≠PCである事を十分認識した上でゲームを進めなければなりません。

2−4:ダンジョン情報について
少々文章が曖昧に感じられましたので、今時点での言及は避けたいと思います。

2−5:ハンドアウト指定について
システムによって、キャラクター作成方法は勿論異なります。
SW2.0の様にランダム性の高いものから、完全に固定のモノ、はたまたPLからある程度任意の修正が可能なものまで幅広いです。
しかし、キャラクターをしっかり作らなかったのが問題かというとそうではなかったように思われます。
実際、5月末に私が参加した単発セッションは、PLを急遽募集した事もあり、ハンドアウト指定こそあったものの、後は集まったPLで最低限必要なデータのみ相談してゲームを始めました。
私も含めた複数人が背景設定はおろか、最低限のデータを記載したキャラクターシートもアップせず、GMに最低限のデータだけお伝えした状態で始めたわけです。
(キャラクターの作成に残されたゲーム開始までの時間はおよそ10分!でした)
しかし、ゲームは非常に盛り上がり、盛況の内に幕を閉じました。
私のキャラもほぼ白紙の状態から、終わってみればすっかり個性が確立されていました。
ですから、キャラクターの背景や相互の関係はセッション開始後に決まる事も十分あり得ますし、追加でどんどん設定が増えていくキャラも沢山います。(GMがそれらの設定を全て拾うのはほぼ不可能です。)
また、DX3の様にセッション中にキャラクター間の関係が大いに変化するものもあります。(DX3はシステムにそれを組み込んでいますが、それ以外のシステムでも同様の事は多々あります。)
ですので、PCの背後関係がキャンペーンを含むセッションの開始時点で全て決まっている必要はありませんし、むしろ決め過ぎてしまうとキャラクターに柔軟性を持たせる事が難しくなり、プレイヤーが楽しくゲームをする事を阻害してしまうでしょう。
今回の問題点については次に記します。

2−6:「最初のスタートは決まっていたので何とかなると考えた」問題
本件の最大の焦点はここです。
シナリオを考えるにおいて、GMは「スタート地点」だけでなく、「ゴール地点」を明確にしておかなくてはならないのです。
勿論、TRPGの一つの楽しみとして『乱数による思いがけないシナリオの変化』がある事は間違いありません。
しかし、GMが先ず基本的なゴールを決めているからこそ、「そこへ持って行くにはどの様にすれば、実際のプレイでずれたシナリオを修正できるか?」
或いは、修正不可能であると判断して、「別の終点を考える」事が出来ます。
『アリアンロッド・リプレイ・セカンドウィンドC樹海と秘密と冒険者』の巻末コラム「セッションとアドリブ」に詳細な記述がありますが、GMに最も負担をかける(つまり難しい)のが「プロット(シナリオ)に干渉するアドリブ」です。
以下に要点を転載しますと……。
「気を付けなければいけないのは、プロットに影響を及ぼすアドリブです。〜中略〜、勿論これはこれで面白く、楽しくゲームを遊ぶことが出来ます。ただし、これは最後までセッションを行う事が出来れば――という前提の上です。もし、あなたにその自信がなければその旨――シナリオで想定されていない行動であることをプレイヤーに告げましょう。もし、プレイヤーがその意見や行動を取り下げてくれれば、そのあとはシナリオ通りに進行する事が出来る筈です。〜中略〜、勘違いしないでいただきたいのは、GMがアドリブによって大きくシナリオを変更すること、また、そのような提案をプレイヤーが行う事は“悪”ではないということです。プレイヤーの希望を聞き入れ、アドリブで対応する事は、プレイヤーのモチベーションを上昇させるという事でも、意味のある行動です。ただし、セッションを運用できなくなる可能性もある諸刃の剣でもあります。」
つまり、シナリオには「スタート地点」だけでなく、必ず「ゴール地点」も用意しておかなければならないのです。
過去、(余り人気のないリプレイですので知らなくても無理からぬ事ですが)ソードワールド(旧版)・リプレイ・(第5部)アンマント財宝編Aにおいて、最終ダンジョン攻略中に不意のクリティカルによってシーフが死亡した際、GMがかなり無理やり、しかも故意ではないがルーリングミスさえ行ってGMがシーフを復帰させた最大の理由の一つがここにあります。
つまり、用意された「ゴール地点」に着地寸前で事故を起こしたので、何とかして用意した「ゴール地点」へ届く様にしたのです。
GM初心者が、手始めにルールブックに付随するシナリオや市販のシナリオ集でのマスタリングを推奨される点は、この「スタート」と「ゴール」がきちんと設定されているからです。
「オリジナルシナリオを閃いたからGMをしよう!」と思い立つのも無理からぬ事ではありますし、運営への意欲は並々ならぬものがあると思いますから、「初心者GMはオリジナルシナリオをするな!」などとは申しません。
ですが、キャンペーン・単発を問わず、GMをやるに際し必要な事は、『キャラクターシートをGMの指示通りに作らせる』事でも、『PCの背後関係を確立させる』事でもなく、『シナリオの「スタート」と「ゴール」をきちんと作っておく』事だと思います。

私見ですが、参考までに。

P.S.お忙しい中返答を頂いてありがとうございます。因みに時間が許せば、今でも簡単に手に入る上述のアリアンロッド・リプレイの巻末コラムを読んでおく事をお勧めします。1巻は該当システムの説明ですが、2巻はキャタクター作成指南、3・4巻はマスタリング指南です。フレーバーの扱いについて記載した3巻は兎も角、4巻はGMをする上で非常に参考になると思いますので、是非ご覧ください。



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